タトゥーはレーザーでどうやって消えるの?タトゥー除去治療の仕組みを知ろう
タトゥー(刺青)の除去がどうして難しいのか、レーザー治療ではどうやってタトゥーが消えるのか、疑問に思って治療に踏み切れない方もおられるかもしれません。
治療の仕組みを理解すれば、そんな疑問も解決するでしょう。
とても難しいタトゥー除去治療
女性にとって、結婚や妊娠・出産は大きなライフイベントの1つです。そのとき、かつてファッション感覚で入れたタトゥー(刺青)が“重荷”になってしまうことは少なくありません。
「背中のあいたウェディングドレスを着たい」「心おきなく子供とプールに入りたい」といったことを願うときに、体に入っているタトゥーを消したいと考えるのです。タトゥーが入っていると、MRI検査を受けられないこともあります。
しかし、気軽な気持ちで入れたタトゥーであっても、完全に消すのは簡単なことではありません。
人間の皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造です。最も表面にあるのが「表皮」で、この層は新陳代謝が活発に行われ、古い汚れなどは垢として剥がれおちていきます。
ところが、表皮のさらに奥の「真皮」や「皮下組織」は新陳代謝のスピードがとても遅く、これらの層についた傷は残ってしまうのです。
そしてタトゥーは、この真皮の組織を染めることにより、皮膚に柄を定着させます。つまり、真皮に針や刃物を刺し入れて“傷”をつけ、墨や酸化鉄などの皮膚に沈着しやすい成分を使って染められたタトゥーは、容易にはきれいにできません。
メリットの多いレーザー治療
このように除去が難しいタトゥーですが、さまざまな除去方法が生み出されています。まず考えられるのは、タトゥーの入った部分の皮膚を切り取ったり削ったりしてタトゥーを除去する方法です。
タトゥーが入っている箇所の皮膚を切り取って縫い合わせる「切除治療」、タトゥーを切り取って体のほかの箇所の皮膚を移植する「皮膚移植治療」、タトゥーが入っている皮膚の表面を削る「削皮治療」などがあります。
これらはほぼ完全な除去が可能とされ、広い範囲に及ぶタトゥーにも対応しやすいというメリットがあります。反面、外科手術を伴うものであり、回復にも時間がかかり、体にも負荷が大きいです。
加えて、タトゥーの色素が皮膚の深くまで入っていた場合にはダメージがより大きくなり、目立つ傷あとが残ってしまうこともあるでしょう。
もう1つ考えられるのが、タトゥーに対してレーザーを照射することでタトゥーの染料を破壊・除去し、タトゥーを薄くする「レーザー治療」です。レーザー治療は痛みや体の負担が少なく、比較的リーズナブルな料金で治療を受けることができるというのが大きなメリットとなっています。
従来のレーザー治療では完全な除去が難しく、特に複数の色が入ったタトゥーには治療効果が弱いとされてきました。一方、最近は技術が進歩しており、完全な除去や複数色のタトゥーへの対応力を強くなってきています。
したがって、メリットの多い治療方法といえるようになってきたのです。
レーザーでタトゥーが消える仕組み
レーザー治療では、基本的にタトゥーの色素を熱で破壊します。メラニン色素などの濃い色に反応するレーザー光を肌に照射すると、表皮や真皮部分の色素に反応し、入っているタトゥーのインクが熱で壊されて除去されるという仕組みです。
このレーザー光には「パルス幅」と呼ばれる単位(時間の長さ)があり、これが短ければ短いほど細かい色素に反応します。従来のレーザー治療に用いられていたレーザー光の単位は「ナノ秒」で、皮膚の深い層まで入り込んだ小さな色素などには除去効果が薄いとされてきました。
そこで登場したのが、パルス幅が「ナノ秒」より短い「ピコ秒」の「ピコレーザー」です。
ピコレーザーでは、従来のレーザー光では破壊できなかったような皮膚の奥深くのインクの粒子まで砕き除去することができるようになりました。また、黒などの濃い色のタトゥーに加えて、青や緑、紫といった色やカラフルなタトゥーも除去可能です。
レーザー治療においても肌が受けるダメージや痛みはゼロではありませんが、ピコレーザーではエネルギー効率の向上によってレーザーを当てる時間を短縮することができるようになっています。除去効果を上げながら負担は下げるということに成功したのです。
おわりに
レーザー治療が進歩したとはいえ、依然として体の負担を伴う難しい治療です。安心して治療を受けるためには、病院やクリニックなどの医療機関へ行くのはもちろんのこと、専門の医師がきちんと診察・治療をしてくれるところを選びましょう。
安価な施設では、医師ではなく看護師などが治療行為を行うようなところもありますので注意してください。
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