冬もニオイや汗には要注意？！ わきが・多汗症対策は「暑い季節から」が有効である理由 ｜美容外科・美容皮膚科ならラミュー・中央クリニック

冬もニオイや汗には要注意？！ わきが・多汗症対策は「暑い季節から」が有効である理由

強い日差し、じめじめとした湿気、薄着……高温多湿の日本の夏は、常に汗やニオイと隣合わせです。わきがや多汗症でお悩みの方はとくに、つらい季節でしょう。

しかし、そんな汗やニオイが夏よりも気になる季節があるということをご存じでしょうか。また、毎日の汗やニオイを防ぐのはもちろん、ほかの季節への対策も考えると、わきが・多汗症対策は暑い夏からおこなっておくのが好ましいといえます。

そこで今回は、自分でできる対策から医療機関で受ける治療まで、いろいろな選択肢をご紹介しますので、それを参考に日本の四季に備えましょう。

わきのニオイや汗が夏より気になる季節がある!?

人の皮膚の下には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2つの汗腺があり、ここから汗が分泌されます。

このうち、アポクリン汗腺から出る汗はタンパク質や脂肪、アンモニアなどの成分を含み、やや粘り気があるのが特徴です。皮膚の表面の常在菌がこの汗を分解することで発生する強いニオイが「わきが」独特のニオイを発生させます。

そして、エクリン汗腺から出る汗はその99％が水で、体温の調節を行う役割があり、この汗が必要以上に分泌されてしまうのが「多汗症」と呼ばれる症状です。

汗もニオイも、暑い夏の季節にはどうしても出やすく、また薄着になることが多いために表面にあらわれやすくなります。しかし、汗やニオイが悪化しやすいのは、実は夏ではありません。最も注意しなければいけない季節は、冬です。

暑い夏に比べて、冬は汗腺の働きが下がって汗の量が減り、老廃物が溜まってしまうことになります。そうすると、分泌される汗の濃度が濃くなり、ニオイがきつくなってしまうというわけです。これは「冬わきが」と呼ばれることもあります。

次に気をつけたいのが、春から初夏にかけて。この季節は、汗腺の働きが活発になりはじめますが、汗の状態はまだ冬の影響を受けています。そのため、濃い汗が活発に分泌されるということに……。

加えて、気温の高まりにつれて着るものも薄くなりますし、新生活などの緊張や強いストレスから生じる汗も増えがちです。

冷え性の方も多汗症になる可能性あり！

「私は冷え性なくらいだから、汗とかニオイとは関係ないでしょう」と思っている方がおられるかもしれませんが、それは誤解です。冷え性の方でも、多汗症になる可能性があります。

冷え性の原因には、自律神経の乱れや血液循環の悪化などさまざまなものがありますが、筋肉量が少ないというのも原因の一つです。これは筋肉の運動による発熱や血流が少なくなることが関係ししてます。他方、多汗症というのは、神経から起こる発汗作用です。

つまり、冷え性と多汗症は別々の原因で起こります。冷え性かつ多汗症に悩む方の場合、汗ばむようなところがある一方で手足の先はいつも冷たいといったように、さらにつらい症状で悩むことも考えられるのです。

生活習慣の改善と治療で冬に備えよう

夏のうちから冬への備えを始めるためにまず行いたいのは、生活習慣の改善です。

大前提としては、清潔を保つこと。わきがのニオイは汗を常在菌が分解することで生じるわけですから、汗が残っていなければいいのです。汗をかいたらまめに拭き取り、そのあとは乾燥させて雑菌の繁殖を抑えましょう。抗菌・殺菌作用があって、わきがに効くデオドラント剤も有効です。

多汗症については、精神的なストレス・プレッシャーが原因となることが多いとされていますが、生活習慣の乱れの影響も無視できません。たばこのニコチンや、コーヒーなどのカフェインは、交感神経を刺激する物質が多く含まれているため、摂取量が多いと発汗が促進されることになります。そうしたものは適度に抑え、バランスのいい健康的な食生活を心がけましょう。

それらと合わせて考えたいのが、クリニックなどの医療機関での治療です。わきがも多汗症も治療方法には複数の選択肢がありますが、わきがや多汗症を根本から改善する効果が期待できます。

たとえば、軽度のわきがの場合、レーザーを照射してわきがの原因となる汗を出すアポクリン汗腺を破壊したり、極細の医療用針を汗腺に差し込んで高周波を照射してアポクリン汗腺の機能を抑えてしまうという治療法です。これらは体を切ることがないため、体の負担が最低限で済みます。重度のケースでは、手術によってアポクリン汗腺を除去するという方法も。

多汗症も、切らずに治療したい場合には、ボツリヌストキシン注射で汗の量を減らすという治療があります。効果は数カ月から半年程度ですが、わずか数分で絶大な効果が期待できるでしょう。

しっかり治したいという方には、手術でエクリン汗腺を除去するという治療が多く用いられます。

おわりに

汗やニオイの悩みは、人によって千差万別です。清潔を保ち、食生活に気をつけるといったことはとても大切な行動ですが、暑い夏や寒い冬に怯えることなく快適に過ごすためには、クリニックでの治療も強い味方となるかもしれません。

治療となると、わからないことや不安なことも多いかもしれませんが、一度クリニックでカウンセリングを受けてみると、そうしたこともいろいろ質問することができますし、医師の診察のもと、より具体的な相談が可能になるでしょう。