傷跡治療はレーザーならきれいに仕上がる?治療法と効果・費用を徹底解説
この記事でご紹介すること
傷跡に向けられる視線が気になって自信を持てない、傷跡を見るたび憂うつな気持ちなるという方は少なくありません。そんな悩みから解放されて、気持ちよく毎日を過ごせるようになりたい方におすすめしたいのがレーザーによる傷跡治療です。
一度できてしまった傷跡は、どのような治療を行っても元の肌に戻すことはできません。しかし、現在のレーザー治療では、何の傷跡か分からない程度まできれいに仕上げることが可能です。
ここでは、レーザーによる傷跡治療とはどのようなものか、効果や費用にについて詳しく解説します。また、よりきれいな状態を目指す再生療法も合わせて紹介します。傷跡に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
傷跡の種類によって適している治療法は変わる
傷跡には様々なものがあり、それぞれに最適な治療法が異なります。レーザーが適しているもの、レーザー以外の治療法が向いているものに分けて見ていきましょう。
レーザー治療が適している傷跡
レーザー治療が有効な傷跡は以下のものがあります。
- タバコを押し付けた「根性焼きの跡」
- 線状の傷跡が残っている「リストカット跡」
- 事故による傷跡(ケロイド状のもの以外)
レーザー以外の治療法が適している傷跡
レーザー以外の治療法が効果的な傷跡は以下のものです。
- 帝王切開の跡
- 事故による傷跡でケロイド状のもの
- ピアスの穴塞ぎ
傷跡治療で使用するレーザーの種類
傷跡治療で使われている医療レーザーには、エルビウムヤグレーザーとフラクショナルレーザーの2種類があります。それぞれの特徴を説明します。
エルビウムヤグレーザー
エルビウムヤグレーザーは、皮膚の表面を薄く削り取り、皮膚が本来持っている再生力によって傷跡を目立たなくする治療法です。レーザーを照射すると皮膚組織に含まれている水分が熱によって水蒸気となり、このときに傷跡のある皮膚の表層部分が薄く削られる仕組みです。
これと同様の仕組みを持っているものに炭酸ガスレーザーがありますが、エルビウムヤグレーザーは水分への反応力が格段に高く、熱による皮膚損傷が大幅に軽減されているのが特長です。そのため、痛みがほとんどなく、周囲の皮膚組織へのダメージも抑えられています。また、炭酸ガスレーザーと比べると、皮膚が治癒するまでの期間も短くなっています。
根性焼きやリストカットの跡をできるだけ早く目立たないようにしたいという方におすすめのレーザーです。
エルビウムヤグレーザーの治療内容
エルビウムヤグレーザーは、1回の施術で治療を終えることが可能です。ただし、傷跡の範囲が広い場合には複数回の施術を行います。施術時間は1回あたり20~30分で、施術後は軟膏とガーゼで肌を保護します。痛みは少ないため、麻酔を使わず治療を受ける方が多くなっています。
施術当日からシャワーの使用は可能ですが、患部は濡らさないように注意する必要があります。
エルビウムヤグレーザーの治療経過
レーザー照射後は、すり傷のような状態となり軽い出血が見られることがあります。3日程度経過するとレーザーをあてた部分にかさぶたができ始め、2週間ほどで自然に剥がれていきます。無理に剥がすと跡が残ってしまうことがあるため注意が必要です。
その後、少しずつ赤みが引いて、周囲の肌の色になじんでいきます。個人差はありますが、新しい皮膚が再生して治療跡が目立たなくなるまでの期間は3カ月から6カ月が目安となります。
フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは、点状のレーザーを照射して皮膚の表面にミクロ単位の極小さな穴をいくつも開け、皮膚の治癒力を利用して傷跡を目立たなくする治療法です。レーザーを照射したあとの皮膚は、この穴を埋めるため、収縮しながら新しい皮膚に生まれ変わります。この過程で傷跡が目立ちにくくなっていきます。
フラクショナルレーザーは、根性焼きやリストカットの跡、帝王切開の跡、凹凸がある傷跡など様々な傷跡に対応する治療法です。傷跡治療以外にも、クレーター状になったニキビ跡の治療やエイジングケアなどの美容目的で使用されることがあります。
フラクショナルレーザーの治療内容
傷跡の状態によって、複数回の施術を繰り返します。皮膚の回復状態に合わせて、1カ月に1回のペースで通院が必要となります。1回あたりの施術時間は1時間程度が目安です。
ただし、フラクショナルレーザーは施術時に痛みをともないます。麻酔クリームを処方してもらえるので、痛みが心配な方は事前に相談しましょう。
施術当日は包帯で肌を保護します。翌日以降は肌の状態が落ち着くまで、ガーゼやテープなどで守る必要があります。施術の翌日からシャワーを使用することが可能です。
フラクショナルレーザーの治療経過
レーザーを照射した後2~3日は、赤みや腫れが強く出ることがあります。1週間ほど経過すると、かさぶたができ始め、肌が乾燥したように感じます。保湿をして肌を守りながら、かさぶたが自然に剥がれて新しい皮膚が再生するのを待ちます。治療完了までの目安は3カ月~6カ月です。
レーザー治療を受けたあとの注意点
エルビウムヤグレーザー、フラクショナルレーザーともに、施術後は肌が敏感な状態となっています。照射後は直射日光をあてないよう注意しなければなりません。また、皮膚が回復していく段階で痒みを感じることがありますが、こすってしまうと色素沈着を起こす可能性があるので注意する必要があります。
レーザー以外の傷跡の治療法
レーザー以外の傷跡治療では、切除法、ケナコルト注射が行われます。
切除法
切除法は、傷跡がある部分を切り取り、周りの皮膚を縫い合わせる治療法です。根性焼きの跡やリストカット跡などを、何の傷跡か分からないようにする治療法として用いられています。また、凹凸がある傷跡を目立ちにくくする場合にも切除法が行われます。
1回の手術で完了できることもありますが、切り取る範囲が広い場合や、縫合する皮膚を伸ばしにくい場合は数回に分けることもあります。比較的短期間で傷跡を目立たなくできる点が切除法のメリットですが、縫い合わせた跡が残ってしまうというデメリットがあります。
ケナコルト注射
ケナコルト注射は、ケロイド状の傷跡を平らな状態にする治療法です。ケロイド体質のために切除法で皮膚を切り取ることが難しい場合に行われることもあります。通常は、1カ月に1回の間隔で複数回注射をします。
ケナコルト注射は傷跡部分に直接ステロイド剤を注入する治療法で、高い効果が期待できる反面、ステロイドの副作用が出てしまう心配があります。副作用には、皮膚が萎縮して薄くなる、免疫力が低下する、生理不順になるなどの症状が挙げられます。
レーザーによる傷跡治療のメリット・デメリット
他の治療法と比べ、レーザーによる傷跡治療にはどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
レーザー治療のメリットは?
他の治療法と比較すると、レーザー治療では切った跡が残らない、体への負荷が少ない点がメリットとなります。皮膚を切りたくない方、仕事や生活への影響が心配で治療に踏み切れなかったという方でも、レーザー治療であれば取り組みやすいといえるでしょう。
レーザー治療のデメリットは?
レーザー治療は他の治療法と比べると、施術回数が多くなります。そのため、治療完了までに時間がかかることがデメリットとなります。また、他の治療法よりも費用が高い傾向にあります。傷跡治療に使用する医療レーザーを取り扱っているクリニックは少なく、近隣で探しにくい点もデメリットといえるでしょう。
レーザーの傷跡治療にかかる費用は?
傷跡の範囲や部位、状態などは人によって大きく異なるため、傷跡治療にかかる費用も大きく変わります。ここでは、おおよその目安となるレーザー治療の相場を紹介します。
エルビウムヤグレーザーの費用
エルビウムヤグレーザーの費用相場は次の通りです。
1㎝あたり/1回
A院:15,000円
B院:38,000円
C院:50,000円
D院:10,000円
フラクショナルレーザーの費用
フラクショナルレーザーの費用相場は次の通りです。
1㎝あたり/1回
A院:22,000円
B院:40,000円
C院:50,000円
D院:40,000円
施術費以外にかかる費用
施術費用以外にも、以下の費用が別途かかる場合があります。
- カウンセリング料
- 初診料
- 再診料
- 麻酔代
- 薬代(痛み止めなど)
- アフターケア代(軟膏・包帯など)
など
クリニックによっては、これらにかかる料金を施術費用のなかに含んでいるケースと、別料金となっているケースがあります。事前に確認しておくと安心です。
なお、レーザー治療は基本的に保険適用外となっています。
傷跡をより目立ちにくくする再生療法とは
レーザーによる傷跡治療を行いながら、皮膚の生まれ変わりを促す再生療法を組み合わせていくことで、より傷跡の状態をきれいに仕上げることが可能です。
再生療法には、PRP再生療法とリジェネラと呼ばれる再生療法の2種類があります。詳しく見ていきましょう。
PRP再生療法
PRP再生療法は、血液中の血小板から成長因子を採取してダメージを受けている部分に注入し、皮膚の再生を促進する方法です。
血小板は止血作用があることで知られていますが、コラーゲンやヒアルロン酸などの合成に関与し、皮膚組織を修復する機能も持ち合わせています。自分の血液を使うので、副作用の心配はありません。レーザー治療でダメージを受けた皮膚の再生力を高めてくれるため、ダウンタイムも短くなります。
PRP再生療法は傷跡治療以外にも、関節疾患や骨折、美容目的など幅広い分野で用いられています。
PRP再生療法の費用
PRP再生療法の費用相場は、次の通りです。
1回あたり
A院:80,000円
B院:50,000円
C院:60,000円
D院:40,000円
リジェネラ
リジェネラは、健康な部分の皮膚から成長因子を採取して、損傷がある部分に注入する再生療法です。成長因子は、コラーゲンやヒアルロン酸などの生成に関わり、健やかな肌を育てるもとになるものです。レーザー治療と組み合わせることで治癒力がアップし、治療跡の仕上がりをよりきれいにすることが可能です。自分の皮膚から採取するため、副作用はありません。
リジェネラは、シワやたるみを改善できる画期的な美容法として、エイジングケア分野でも注目を集めている施術です。
リジェネラの費用
リジェネラの費用相場は、次のようになっています。
1カ所あたり
A院:250,000円
B院:300,000円
C院:280,000円
D院:100,000円
レーザー治療で傷跡の悩みを解消しよう
傷跡は見た目の問題だけでなく、傷ができてしまった過去を思い出してネガティブになってしまうなど、心理的にも大きな影響を与え続けてしまうものです。元通りの肌には戻せなくても、レーザー治療を受けることで日々の生活のなかで気にならない状態にすることはできます。
レーザー治療は、傷跡治療のなかでもきれいな仕上がりを目指せる治療法です。また、体への負担が少なくダウンタイムもほとんどないため、仕事や日常生活への影響を最小限にしながら治療を受けることが可能です。
一人で悩みを抱えたままにせず、無料カウンセリングなどをうまく活用して、傷跡治療の相談をしてみることをおすすめします。