タトゥー除去にかかる費用は?治療法ごとの費用とメリット・デメリット
この記事でご紹介すること
タトゥーを除去したいと思いつつも、治療法や費用が不安でためらっている方もいらっしゃるでしょう。タトゥー除去の方法には、注目を集めているピコレーザーのほか、治療跡をきれいに仕上げる治療など様々なものがあります。
ここでは、それぞれの治療法ごとのメリット・デメリットと、どのくらいの費用がかかるのか詳しくご説明します。できるだけ短期間で効果の高い除去治療を受けたいという方も、ぜひ参考にしてください。
タトゥー除去の治療法は5種類
タトゥーを除去する治療法は、次の5種類があります。それぞれの治療法の特徴とメリット・デメリットを紹介します。
Qスイッチヤグレーザーとは
Qスイッチヤグレーザーは、タトゥー除去に多く使われてきたレーザーです。タトゥーのほかにもホクロやシミ・そばかす・あざの除去などに使用されることもあります。
タトゥー部分にレーザーをあてることで、皮膚に入っているインクを粉砕することができます。粉砕された色素は時間をかけて体外に排出され、徐々に色が薄くなっていく仕組みです。
Qスイッチヤグレーザーのメリット
Qスイッチヤグレーザーのメリットには、以下のことが挙げられます。
- 皮膚を切らずに治療できる
- 周囲の皮膚組織を傷めにくい
- ほとんどの部位に照射することが可能
- 一度に広範囲の治療が可能
- ダウンタイムがほとんどない
Qスイッチヤグレーザーのデメリット
一方で、Qスイッチヤグレーザーには次のデメリットがあります。
- 黒色の色素にしか反応しないため、カラータトゥーは除去できない
- レーザー照射時に「ゴムで弾かれたような」痛みをともなう
- 色が薄くなるまでに治療回数がかかる
- 治療後に色素が残り、色むらになることがある
ピコレーザーとは
ピコレーザーは新しい医療レーザーで、カラータトゥーも除去できることから最近注目を集めている治療法です。様々な色素に反応する波長を持っており、多色のタトゥーもきれいに取り除くことができます。
Qスイッチヤグレーザーがナノ秒(=10億分の1秒)で照射するのに対し、ピコレーザーはピコ秒(=1兆分の1秒)という極短い照射時間を実現しています。これによって、レーザー照射時に感じる痛みが軽減されています。
また、色素をより微細に粉砕できる威力を持っているため、細かく砕かれた色素がスムーズに体外に排出されます。短期間でレーザー治療を終えたいという方にも向いている治療法です。
ピコレーザーのメリット
ピコレーザーには、これまでのレーザー治療では得られなかった様々なメリットがあります。
- 皮膚を切らずに治療できる
- カラータトゥーを除去できる
- 少ない治療回数で終えることができる
- 色むらにならず、きれいに除去することが可能
- ダウンタイムが少なく短期間できれいに除去できる
- 痛みが少ない
- 周囲の皮膚組織へのダメージがほとんどない
ピコレーザーのデメリット
ピコレーザーのデメリットには、以下のことが挙げられます。
- Qスイッチレーザーに比べると費用が高い
- 導入しているクリニックが少ない
1回あたりの料金を見るとQスイッチレーザーよりも高くなりますが、ピコレーザーは効果が高く、治療回数を抑えることが可能です。そのため、費用対効果で考えるとQスイッチレーザーよりもお得に感じることもあるでしょう。
ただし、新しい医療機器のため、導入しているクリニックはまだ多くありません。医療機関によっては、交通費支援をしてくれるところもあるので、近くにない場合は探してみるとよいでしょう。
切除法とは
切除法とは、タトゥーがある部分の皮膚を切り取ったあと、周囲の皮膚を伸ばして引き合わせ縫い合わせる治療法です。タトゥーの範囲が広い場合、または周囲の皮膚を伸ばしにくい部位(手足の指・甲、足首、うなじなど)にタトゥーがある場合は、複数回にわたって分割切除することもあります。
切除法ではタトゥーを完全に除去できますが、縫合跡は必ず残ります。縫合跡を少しでも目立ちにくい状態にするには高度な技術が必要です。そのため、担当する医師の技術力によって仕上がりに大きな差が出やすい治療法となっています。
クリニックを選ぶ際は、信頼できる医師が治療を行ってくれるか、アフターケアの体制がしっかりとられているか慎重に見極めることをおすすめします。
切除法のメリット
切除法には、次のメリットがあります。
- タトゥー除去のなかでは治療費が安い
- タトゥーを確実に除去できる
- タトゥーの色や深さに関係なく除去できる
- 1回の治療で除去することも可能(範囲による)
- レーザーで消せなかったタトゥーも除去できる
切除法のデメリット
切除法のデメリットには、以下のことが挙げられます。
- 皮膚を切除しなければならない
- 切除後の縫合跡が残る
- 医師の技術力で仕上がりに差が出やすい
- 手術後は感染症を防ぐため抗生物質の服用や十分なケアが必要
剥削(はくさく)法とは
剥削(はくさく)法とは、タトゥーがある部分の皮膚表面を削り取り、新たな皮膚の再生を促す治療法です。特殊な医療カミソリ、またはエルビウムヤグレーザーを用いて、医師が削っていきます。広範囲のタトゥーも除去することが可能です。
また、縫合跡など治療跡を目立たなくしたい場合は、フラクショナルレーザーを用いて、皮膚の生まれ変わりを促す方法もあります。フラクショナルレーザーを照射すると、皮膚の表面に極小さな穴がいくつも開きます。皮膚には再生機能が備わっているため、この穴を埋めるために急速に新しい肌へと生まれ変わります。この作用によって、タトゥーの色や傷跡を薄くしていく方法です。
剥削法のメリット
ここでは、医療カミソリまたはエルビウムヤグレーザーを用いた剥削法のメリットを見ていきます。
- 1回の治療でタトゥーを除去できる(広範囲の場合は複数回)
- 広範囲のタトゥーでも除去できる
- 治療時間が比較的短い
- タトゥーの色に関係なく除去できる
剥削法のデメリット
剥削法には以下のデメリットがあります。
- 一定以上の深さよりも削り取った場合、火傷のような傷跡として残る場合がある
- 治療後、皮膚が回復するまで数カ月以上の時間がかかる
皮膚移植法とは
皮膚移植法とは、タトゥーがある部分の皮膚を切り取ったのち、他の部位の皮膚を持ってきて移植する方法です。持ってくるのは、皮膚が多い太ももやお尻などの部位になります。
広範囲のタトゥーを除去したい場合に選択される治療法ですが、移植部分の跡が目立ちやすいため、治療跡をきれいにしたい方には向いていません。
皮膚移植法のメリット
皮膚移植法のメリットは次の通りです。
- 広範囲のタトゥーを除去できる
- 一度の治療で除去できる
- タトゥーの色に関係なく除去できる
皮膚移植法のデメリット
皮膚移植法には、以下のデメリットがあります。
- 移植された皮膚が周囲の皮膚になじまない場合、治療跡が目立つ
- 移植する部位と移植のために皮膚を持ってきた部位の両方に傷跡が残る
- 手術後は感染症を防ぐため抗生物質の服用や十分なケアが必要
【治療法別】タトゥー除去にかかる費用
ここから、タトゥー除去にかかる費用の相場についてご紹介していきます。
タトゥー除去は、範囲によってかかる費用が変わってきます。自分で計測するとずれることもあるため、正確な費用を知りたい場合は、カウンセリング時に計測してもらうことをおすすめします。
QスイッチYAGレーザーの費用
1回あたり/1mm
A院:2,000円
B院:2,000円
C院:1,800円
D院:1,000円
レーザー治療は1回の治療で完了することはありません。タトゥーの大きさや色の深さによって回数に差が出ますが、薄くなったと実感できるまで3~5回、完了するまでに10回以上かかることもあります。
また、除去する範囲が広い場合は2回に分けて照射することもあるため、事前に確認しておくと安心です。
ピコレーザーの費用
1回あたり/1mm
A院:4,000円
B院:2,000円
C院:2,200円
D院:1,000円
ピコレーザーは、1回の照射でも薄くなったことを実感できます。個人差はありますが、ほぼ目立たない状態まで薄くするには3~10回程度の回数が必要となります。
切除法の費用
1㎠あたり
A院:10,000円
B院:40,000円
C院:34,020円
D院:10,000円
剥削法の費用
1㎠あたり
A院:20,000円
B院:30,000円
C院:150,000円(1~25㎠まで)
D院:9,000円
皮膚移植法の費用
1㎠あたり
A院:80,000円
B院:60,000円
C院:262,500円(1~25㎠まで)
D院:40,000円
治療以外にかかる費用は?
タトゥー除去にかかる費用以外にも、以下の費用が別途かかることがあります。
- カウンセリング料
- 初診料
- 再診料
- 麻酔代
- アフターケア代(消毒・軟膏・服用薬・包帯など)
ピコレーザーの場合は、比較的痛みが少ないため麻酔を希望される方は多くありません。Qスイッチレーザーでは、希望によって表面麻酔を使うことがあります。
これらの費用は、クリニックによって施術費用のなかに含んでいる場合と、別途かかる場合があります。カウンセリング時に見積もりを出してもらい、しっかり確認するようにしましょう。
レーザー治療をお得に受けるには?
タトゥー除去の費用をできるだけ安くしたいという方におすすめしたいのが、クリニックが行っているモニター募集に応募する方法です。モニター料金は通常料金よりも、かなりお得に設定されています。
クリニックのホームページなどで募集しているので、チェックしてみるとよいでしょう。募集内容はクリニックによって異なりますが、主に以下のものがあります。
- 術前・術後の症例写真や動画を撮って公開する症例モニター
- 体験レポートを提出するモニター
- 新しい施術を体験してもらうモニター
モニターの実施にあたっては、施術内容や施術日が定められていたり、期間内の継続ができなくなった場合に差額が発生したりするなど、クリニックによって条件が異なります。また、顔の露出が可能であることが条件になっていることもあります。事前に内容をしっかり確認したうえで、応募するようにしましょう。
タトゥー除去で費用対効果を高めるポイントとは?
タトゥー除去の治療は、できるだけ費用を抑えて治療を行いたいという方が多いでしょう。しかし費用だけで決めてしまうと、治療跡に納得できず再治療を受けるというケースも見られます。費用対効果を考えると、治療跡の仕上がりに満足できるかという点も大きなポイントになります。
できるだけタトゥーの跡をきれいにしたい、短期間できれいに仕上げたいという方におすすめしたいのが次の2つの方法です。
再生療法と組み合わせてきれいに仕上げる
タトゥー除去を行いながら、皮膚の再生力を高める再生療法と組み合わせることで、治療跡をよりきれいな状態に仕上げることが可能です。
再生療法には、自身の血液から採取した血小板を使うPRP再生療法と、皮膚の成長因子を使って肌再生力を高めるリジェネラという方法があります。再生療法は、タトゥー除去で行われるどの治療法とも組み合わせることができます。
レーザー治療と組み合わせると、レーザー照射後のダウンタイムを早くできるため、治療期間を短縮できるというメリットもあります。
レーザー除去と剥削法を組み合わせて短期間で完了させる
エルビウムヤグレーザー(剥削法)で皮膚の浅い部分にあるタトゥーを削り取ったあと、ピコレーザーまたはQスイッチレーザーでタトゥーを除去する方法です。お肌への負担を抑えながら、より短期間でタトゥーを除去することができます。
エルビウムヤグレーザーは肌の再生力を高める効果もあるため、治療跡をよりきれいな状態に仕上げられるというメリットもあります。
タトゥー除去は技術と信頼のあるクリニックで
ピコレーザーの登場により、これまで除去できなかったカラータトゥーもレーザーで消すことができるようになりました。また、ピコレーザーは施術時の痛みを大幅に軽減しているため、痛みが心配でためらっていた方のハードルを下げてくれたといえるでしょう。
しかし、いずれの治療法を選んでも、タトゥー除去には的確な診断と高い技術力が求められます。一部のクリニックでは、画像を送るとネット診断をしてくれるところもあるようですが、タトゥーは色の入り方や肌の状態を直接見ないと、本来、正確な診断をすることはできません。
お体への負担や仕上がりの満足度を考えると、費用の安さだけでクリニックを選んでしまうのはリスクが高いといえるでしょう。タトゥー除去の治療は、個人によって最適な方法が異なります。信頼できるクリニックと医師を慎重に選んでください。