タトゥー除去はレーザーできれいにできる?治療跡・痛み・回数・費用を解説

タトゥー除去はレーザーできれいにできる?治療跡・痛み・回数・費用を解説

この記事でご紹介すること

ファッションの一つとしてタトゥーを入れる方が多い一方で、結婚などをきっかけに除去したいという方も増えています。

とはいえ、タトゥー除去跡を残したくない、皮膚を切りたくない、仕事を休めないのでダウンタイムがあるとできない…といった理由から、踏み出せずにいる方も多いでしょう。

そんな方におすすめしたいのがレーザーによるタトゥー除去です。レーザーにも様々な種類があり、それぞれに特徴があります。

ここでは、治療跡や痛み、回数・費用など、タトゥー除去のレーザー治療について詳しく解説します。短期間できれいにタトゥーを除去したい方も、ぜひ参考にしてください。

タトゥー除去でレーザーが人気を集めている理由とは?

タトゥーを除去する方法は4種類あります。タトゥー部分を切り取って縫い合わせる切除法、削り取る剥削法、タトゥーを切り取った後に別の部位から皮膚を移植する皮膚移植法、そしてレーザーで色素を分解して薄くしていく治療法の4つです。

レーザー治療では、皮膚を切ったり削ったりすることがないため、より手軽にタトゥーを除去できるとして人気を集めています。レーザー治療には以下のメリットがあります。

  • 縫い傷やケロイド状の傷跡が残りにくい
  • ダウンタイムがほぼなく、仕事や生活に影響が出ない
  • お体への負担が少ない

さらに、除去跡をきれいにするための治療法を組み合わせることで、治療跡と分かりにくい状態を目指すこともできます。できるだけ治療跡を残したくない、日常生活に影響が出ない治療を望まれている方には、レーザー治療をおすすめします。

レーザーでタトゥー除去できるメカニズム

タトゥー部分にレーザーを照射すると、皮膚に入っているインクがレーザーの熱と衝撃によって細かな粒子に粉砕されます。細かく粉砕された色素は、体の自然な働きによって少しずつ体外に排出され、だんだんと色が薄くなっていくという仕組みです。

1回の照射ですべてのインクを粉砕することはできないため、レーザー治療では一定期間を開けて、照射を繰り返す必要があります。

タトゥー除去で使用する4種類の医療レーザー

治療で使用するレーザーには、タトゥーを徐々に薄くしていき除去するQスイッチヤグレーザーとピコレーザー、タトゥー部分を削り取るエルビウムヤグレーザー、治療跡を目立ちにくくするフラクショナルレーザーの4種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

Qスイッチヤグレーザー

Qスイッチヤグレーザーは、ホクロやシミ、イボ、あざなどの除去にも使われる医療レーザーで、タトゥー除去に従来から多く使われてきました。

Qスイッチヤグレーザーが適応するのは、黒色や濃紺など単色のタトゥーです。色素にのみ反応するため、周囲の健康な皮膚組織を傷めることはありません。

ピコレーザー

ピコレーザーは、Qスイッチヤグレーザーでは除去できないカラータトゥーを消すことができる新しい医療レーザーです。黒色はもちろん、全色に対応しています。

Qスイッチヤグレーザーはナノ秒(=10億分の1秒)という単位でレーザーを照射しますが、ピコレーザーはピコ秒(=1兆分の1秒)という極短時間で瞬間的にインクを粉砕します。そのためレーザー熱の刺激を受けにくく、痛みが少ない治療が可能となっています。

また、Qスイッチヤグレーザーよりも粉砕力が強く、インクをより微細な単位まで破壊することができます。細かくなった色素はよりスムーズに体外へと排出されるため、短期間で治療を完了することができます。

また、Qスイッチヤグレーザーの場合、細かく砕けなかった大きな粒子がそのまま残ってしまうことがあり、色むらになるケースも見られます。ピコレーザーは、Qスイッチヤグレーザーで残ってしまった跡の除去にも有効です。

エルビウムヤグレーザー

エルビウムヤグレーザーは、皮膚を薄く削り取り、皮膚の再生力を利用して治療跡を修復する医療レーザーです。ホクロやイボの治療跡をきれいにするなど、幅広い分野で使われています。

タトゥー除去においては、皮膚表面を削り取りことで、その後に行うレーザー治療の効果を高める目的で使用されます。レーザー治療は通常、複数回の通院が必要になりますが、エルビウムヤグレーザーを使った剥削法を用いると、1回または少ない回数で治療を完了できます。

エルビウムヤグレーザーはレーザー熱の影響をほぼ受けない技術が用いられているため、痛みや肌へのダメージは少なくなっています。

フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーは、皮膚の自然治癒力を利用して治療跡や傷跡を目立ちにくくする医療レーザーです。レーザーを照射すると、皮膚にミクロ単位の極小さな穴がいくつも開きます。これを修復する治癒力が働き、皮膚は収縮しながら新しい肌へと生まれ変わります。

タトゥーの色を除去しても、皮膚に凹凸が残ることがあります。フラクショナルレーザーは、この凹凸を目立ちにくくするため、よりきれいな仕上がりを目指すことができます。クレーター状に残ってしまったニキビ跡や、毛穴・小じわの改善といった美容目的で使用されることもあります。

フラクショナルレーザーは、周囲の皮膚に余分な熱をくわえないためダメージが少なく、赤みや腫れなどのダウンタイムも短くなっています。

レーザーでタトゥー除去するのにかかる回数は?

レーザーによるタトゥー除去では、範囲や色の深さ、部位、肌質などによって必要となる回数が大きく変わります。

Qスイッチヤグレーザーの場合、色が薄くなったと感じるのは2~5回程度、ほぼ除去できた状態になるまでは10回以上かかることがあります。

ピコレーザーの場合は、1回目から薄くなったと感じる方も多くなっています。除去が完了するまでは3~10回が目安となります。

ただし、広範囲にタトゥーがある場合は、2回に分けてレーザーを照射することもあります。回数は個人差が大きいため、自分の回数目安を知りたい方は医師の診断を受けるようにしましょう。

レーザー照射の期間はどのくらい開けるべき?

レーザー治療では、ほとんどの場合1回の照射ではタトゥーを除去できないため、期間を開けて通院することが必要です。期間を開ける理由は2つあります。

ひとつは、レーザー照射による肌のダメージが回復されるまで待つ必要があるためです。もうひとつは、粉砕された色素が体外に排出されるまで時間がかかることです。

Qスイッチヤグレーザーの場合は3カ月に1回のペース、ピコレーザーの場合は1~2カ月に1回のペースが目安となっています。

タトゥー除去の治療期間を短くする方法は?

レーザー治療と他の治療法を組み合わせることで、治療期間を短縮することが可能です。主な方法として以下の2パターンがあります。

エルビウムヤグレーザーとの組み合わせ

エルビウムヤグレーザーで皮膚の表面を削った後、皮膚の深いところに入っているタトゥーにレーザーを照射します。これによって、より効果的に色素を粉砕できるため、治療期間の短縮につながります。

また、エルビウムヤグレーザーは皮膚の再生力を高めるので、治療跡が目立ちにくくなるというメリットもあります。

再生療法との組み合わせ

再生療法には、自身の血液から採った血小板を用いて皮膚組織の再生力を高めるPRP再生療法と、皮膚の成長因子を採取して損傷した部分に注入するリジェネラという方法があります。

いずれも、レーザー治療に追加することでダウンタイムを短縮することができます。そのため、次のレーザー照射までの期間が短くなり、治療期間の短縮が可能です。

また、レーザー治療を行いながら再生療法を受けることで、タトゥー除去の跡がきれいに仕上がりやすくなります。

レーザーによるタトゥー除去の痛みはどのくらい?

レーザー治療の痛みを心配される方は少なくありません。各レーザーの痛みについて、見ていきましょう。

Qスイッチヤグレーザーの痛み

Qスイッチヤグレーザーは、ゴムで弾かれたような痛みといわれることがあります。ただし、痛みの感じ方には個人差があり、部位によっても程度が変わります。とくに、広範囲のタトゥーを除去する場合は、痛みが強いと感じることがあります。

ピコレーザーの痛み

ピコレーザーは、レーザー治療のなかでも痛みが少ない治療法です。Qスイッチヤグレーザーよりも痛みは抑えられていますが、ゴムで弾かれたような痛みを感じます。

エルビウムヤグレーザーの痛み

エルビウムヤグレーザーは、皮膚の水分に反応して熱が生じる仕組みになっています。そのため、皮膚への刺激が少なく痛みはほとんど感じません。

フラクショナルレーザーの痛み

フラクショナルレーザーは照射したときに痛みがあるため、表面麻酔、もしくは局所麻酔を行うことが多くなっています。

痛みを軽減する方法は?

レーザー照射の前後に肌を冷却するアイシングを行うことで、痛みを感じにくくすることができます。また、希望すれば、局所麻酔や表面麻酔を行ってくれます。

ピコレーザー、Qスイッチヤグレーザーともに、痛みの感じ方には個人差があり、除去する範囲や部位によっても痛みの程度が変わります。麻酔を希望されないケースもありますが、痛みが心配な方は事前に相談しておくと安心です。

レーザーのタトゥー除去に副作用はある?

レーザー治療は熱をくわえるため、軽い火傷のような状態になります。レーザー照射後は発赤・腫れ、ほてり、かさぶたができるといった症状が見られます。かさぶたは1週間程度で自然に剥がれ落ちます。

治療を受けた後の肌は敏感になっているため、直射日光をあてないように十分注意する必要があります。また、掻いたりこすったりすると、色素沈着を起こすので注意してください。軟膏を塗るなど肌を保護するアフターケアも大切です。

レーザーによるタトゥー除去にかかる費用は?

タトゥー除去の費用は、面積によって変わります。自分で測るとずれてしまうことがあるので、カウンセリング時などに計測してもらい、正確な費用を見積もってもらうことをおすすめします。

ここでは、おおよその費用目安を紹介します。

Qスイッチヤグレーザーの費用

1㎠あたり/1回
A院:20,000円
B院:10,800円
C院:18,000円
D院:10,000円

ピコレーザーの費用

1㎠あたり/1回
A院:21,000円
B院:22,800円
C院:20,000円
D院:10,000円

エルビウムヤグレーザーの費用

1㎠あたり/1回
A院:15,000円
B院:38,000円
C院:50,000円
D院:10,000円

フラクショナルレーザーの費用

1㎠あたり/1回
A院:22,000円
B院:40,000円
C院:50,000円
D院:40,000円

タトゥー除去以外にかかる費用

施術費用のほかに、以下の費用が別途かかる場合があります。

  • カウンセリング料
  • 初診料
  • 再診料
  • 麻酔代
  • 薬代
  • アフターケア代(消毒・軟膏・包帯など)

クリニックによって、これらの費用を施術料金に含んでいる場合と、別途かかる場合があります。とくに麻酔を使用するときは回数を重ねると費用がかさむので、事前に確認しておきましょう。

納得できるクリニック選びが重要

タトゥーは除去したいけれど、治療跡はできるだけきれいな状態にしたいという方が多いため、レーザー治療のニーズは高まっています。

ピコレーザーの登場によって、これまでのレーザー治療ではできなかった多色のタトゥーも除去できるようになりました。また、ピコレーザーは粉砕力が強く跡が残りにくい、短期間で治療を終えられるなど様々なメリットを持ち合わせています。

しかし、レーザー治療の場合も、タトゥーの除去は簡単なものではありません。タトゥーは色の深さや形状が個々に異なるため、医師の的確な診断力と高い技術力が求められます。そのため、同じレーザー治療を受けてもクリニックによって仕上がりに大きな差が出やすくなっています。

医療機器や治療法を豊富に取り揃え、様々なケースに対応できるクリニックを選ぶこともひとつのポイントです。カウンセリングを受けてみて、信頼できるクリニックか、アフターケアもしっかり行っているかなどをチェックして、納得できるクリニックを選ぶようにしましょう。

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