顔から大量の汗が出る、顔面多汗症。日常生活に支障をきたすほど出る顔の汗の正体とは?

顔から大量の汗が出る、顔面多汗症。日常生活に支障をきたすほど出る顔の汗の正体とは?

この記事でご紹介すること

緊張すると、顔から汗が滝のように出る……。
「汗をかいているのでは?」と気にしだすと、余計に汗が出てしまう……。
運動したわけでもないのに、顔の汗が止まらない……。

このような悩みは、ありませんか?日常生活に支障をきたすほどの汗が顔から出る場合、「顔面多汗症」を疑ってもよいかもしれません。

そもそも多汗症とは、気温や運動とは関係なく、通常では発汗しないような状況でも、全身、手のひら、足の裏、脇の下、頭部などの局所から多量の汗が出る症状のことです。そのうち、頬や額など、顔まわりを中心に汗をかく多汗症のことを、「顔面多汗症」と呼びます。

今回は、多汗症の中でも「顔面多汗症」を中心に、なぜ異常なまでに汗をかいてしまうのか、その原因と治療法について、詳しくご紹介します。

顔から汗が出る原因とは?

汗には「脳を守る」という重要な役割があります。脳の近くにある汗腺の動きが活発で、発達しているのは、その理由からです。逆に、脳から遠い手足などは汗腺の機能が衰えやすい傾向にあります。

顔から汗をかくのは自然なことですが、汗の量が異常な場合、多汗症などの原因が考えられます。

汗をかく部位は、顔だけまたは手だけだったりと、人によって異なりますが、顔から汗が出る主な原因は、多汗症と運動不足の2つです。

考えられる原因その①~多汗症

顔だけ汗が止まらない場合、遺伝もしくは、食事や睡眠などの生活習慣や、緊張状態などの精神的な理由による顔面多汗症になっている可能性があります。

人は緊張するとエクリン腺という汗腺(汗を出す器官のこと)から汗が分泌されます。エクリン腺は全身の中でも特に顔面に密集しているため、顔から多くの汗が出る傾向があるのです。

考えられる原因その②~運動不足

運動不足に陥ると、身体を動かすこと自体が減るため、手足にある汗腺の機能が低下し、手足は汗をかきにくくなります。その結果、汗腺が発達している顔面から汗を出して体温調節を図ることになり、顔から大量の汗が出ます。

単純に汗をたくさんかいているだけか、多汗症かを自分自身で判断するのは難しいものです。「多汗症かな?」と思ったら、次のセルフチェックで確かめてみてください。

顔の汗は多汗症が原因?今すぐできる多汗症セルフチェック

次の項目に当てはまる数が多いほど、多汗症の可能性が高いと考えられています。ただし、そのときの精神状態で一時的に症状が出ている場合もあります。

  1. 普段、ストレスを感じている
  2. 緊張しやすい
  3. 睡眠時間が不規則、または寝不足なことが多い
  4. 肉料理や揚げ物などが好きで、野菜は好まない
  5. 暴飲・暴食をする
  6. 飲酒・喫煙をする
  7. 体臭が気になる。または、体臭を指摘されたことがある
  8. 人前などで緊張すると、顔に汗をかく
  9. 気温が高くないのに、顔に汗をかく
  10. 運動していなくても、顔に汗をかく

1~2の項目は、精神的なものが原因の多汗症の特徴です。

3~6の項目は、多汗症の原因で多いとされる生活習慣の確認項目です。睡眠不足や暴飲・暴食、喫煙や飲酒などは、ときに自律神経の乱れを引き起こし、汗を分泌する汗腺の働きに悪影響を及ぼします。また、食生活が乱れて肥満になると汗をかきやすくなるため、多汗症になりやすくなります。日々の生活と多汗症は、密接な関係があるのです。

7~10の項目は、多汗症の代表的な症状です。汗によって体臭が発生することもあります。

顔面多汗症の原因に合わせて考えたい、3つの治療法 

多汗症の治療にはさまざまな方法があり、原因によって治療方法も異なりますが、大きく分けて、「①精神療法」「②内服薬の投与」「③注射による治療」「④医療機器による切らない治療」の4種類があります。

効果や治療にかかる時間など、自分自身に合った治療法を選択することが大切です。どの治療法が合っているのか、それぞれの副作用を医師に確認し、その上で相談してから選択するとよいでしょう。

①精神療法

医師やカウンセラーと心理カウンセリングを行うことで、原因となっている精神疾患を解決します。

この治療は、単独で行っても、多汗症を治す効果はあまり期待できませんが、他の治療法と併用することにより、治療効果を高める可能性があります。

精神性発汗は、緊張やストレスなどによって起きるものです。緊張やストレスなどの精神疾患を取り除けば症状は改善され、根本的な治療も望めます。一方で、これといった原因の追究は難しく、解決が困難なケースもあり、治療が長引くこともあります。

②内服薬の投与

医師の診断のもと、原因や症状に合わせて、汗を止める薬や安定剤などが処方されます。薬を飲むだけなので、日々の生活に支障をきたすことはありません。

手軽に治療を始めたい人や治療に時間がかけられない人に適した治療方法となりますが、服用している間だけの一時的な発汗抑制効果となることは、覚えておきましょう。服用をやめれば、発汗抑制効果もなくなります。

③ボツリヌストキシン注射

「ボツリヌストキシン」という薬剤を顔に注入する治療法です。多汗症の大元(おおもと)の原因ともいえるエクリン腺という汗腺の働きを抑え、汗の量を減らす効果があります。

注射と聞くとその痛みが気になるところですが、アイシング(冷却)をしながらボツリヌストキシン注射をするので、痛みに弱い方でも麻酔を使用せず、治療を受けることができます。また、施術時間も短いです。

個人差はありますが、注射をした2~3日後くらいから汗が減り、1回のボツリヌストキシン注射で約半年は効果が持続します(汗が全く出なくなるわけではありませんが、汗の量は抑えられます)。

さらに、注射の回数を重ねることにより汗腺が萎縮してくれるうれしい効果もあり、初回より2回目以降の方が効果の持続期間は長くなるといわれています。

④医療機器を使用した切らない治療

・顔なので治療で跡が残るのは嫌
・一時的な治療ではなく、一度の治療で根本的に多汗症を治したい

このような患者様の思いにお応えする治療として、切らないすそわきが治療があります。

医療機器であるビューホットやウルセラドライなどの高周波や超音波を利用して汗腺を破壊します。メスを使用しないため、傷跡が残ることもなく、お顔や体への負担が少ない上、一度の治療でも高い効果を見込める治療法です。
切らない治療はすべて自由診療となるため、治療費が25~40万円ほどと高額な治療となります。

このように多汗症は複数の治療法で改善することができます。治療を受ける際には副作用も考慮し、医師と相談した上で、判断してください。

価格だけでクリニックを決めない

多汗症の原因によっては、精神科を紹介されることもありますが、同時に美容外科や形成外科に相談するのも良いでしょう。

美容外科や形成外科では保険適用外の自由診療が中心のため、精神科が保険適法の皮膚科等にはない治療を行っているクリニックも多くあります。よって治療法の選択肢が広がることもメリットとしてあります。また、同じボツリヌストキシン注射による治療の場合でも、保険診療と自由診療で使用する薬剤や投薬量にも差があるため、重度の多汗症の方には保険診療で注入できるボツリヌストキシンの量では高い効果を感じられない可能性があります。

また、同じ美容外科でも、自由診療であるために使用する薬剤や、適正と考える投薬量が異なる場合があります。よってクリニックごとに治療費用が異なることは覚えておかなければなりません。

例えば、ボツリヌストキシン注射の場合、製薬会社や金額だけでなく、効果の持続期間等などが変わるため、治療前に使用している薬剤の特徴や治療費などを医師に確認し、十分に理解した上でボツリヌストキシン注射を行うかどうかを判断してください。

また、カウンセリングの丁寧さやアフターケアの有無など、治療に関する全てを考慮し、自分に合った医師やクリニックを見つけましょう。

まとめ|ライフスタイルや多汗症の原因、予算に合わせて最適な治療法を選ぶ

人によって、多汗症の原因や症状は異なります。そのため、即効性を求めた治療法を選ぶのか、また根本的な治療法を選ぶのかは、ライフスタイルや予算を吟味した上で、自分に合った方を選択するようにしてください。

顔面多汗症に悩んでいる方は意外と多いです。しかし、同じ悩みを共有するしたり、相談できる人が近くにいること少なく、多くの方が、一人で悩みを抱えています。クリニックによっては、無料カウンセリングを設けています。一人で悩まず、まずは専門の医師に相談してみてください。

当グループは医師歴10年以上のドクターが多数在籍しており、多汗症治療において豊富な経験があります。全国の主要都市にクリニックがございますので、下記より治療詳細をご確認頂き、お近くのクリニックへご相談下さい↓


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