もしかしたら、チチガかも?チチガの原因とその対策方法
この記事でご紹介すること
乳輪周りから出る鼻をつく臭い。「もしかしたら、チチガかもしれない……」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
人に相談しにくいデリケートな悩みがゆえに、誰にも相談できず一人で悩んでしまうことも多い、チチガ。そもそも、チチガとはどのような症状なのでしょうか? 今回の記事では、チチガの原因や対策、その治療法について、ご紹介します。
そもそも、チチガとは一体どんなもの?
チチガとは、乳首や乳輪周りからワキガ特有の玉ねぎの腐ったような強い臭いを発する症状のことを指します。男性・女性どちらにも発症します。
チチガの原因は、ワキガと同じです。
ワキガは、汗腺という汗を出す組織の多さが多いほど発症しやすいです。そして、この汗腺の中にアポクリン腺と呼ばれるものがあり、そこから出る脂肪やタンパク質を雑菌が分解することで、ワキガ独特の臭いが発生します。この現象が乳首や乳輪周りでも起こるとチチガとなるため、ワキガとの関連が深いといわれています。
ちなみに、アポクリン腺はもともとフェロモンの役割を果たしており、乳輪周りや脇、デリケートゾーンなど特定の場所に分布します。アポクリン腺から分泌される汗の成分や量は性ホルモンの影響を強く受けるため、思春期以降が最も多く、中年以降にはチチガの症状が弱くなる傾向があります。
チチガのセルフチェック
近年、「スメルハラスメント」という言葉が聞かれるようになりました。自分の臭いに対して敏感になる人も増えてきています。自分がチチガかどうか正しく認識するために、一度、セルフチェックをしてみましょう。
次の5つの項目のうち、1つでも当てはまっている場合は、チチガの可能性があります。
☑パートナーなど他人に臭いを指摘されたことがある。
☑下着に黄色いシミがつく。
☑下着が汗で湿っていることがある。
☑家族または自分にワキガの症状がある。
☑耳垢が湿っている。
2つの代表的なチチガ対策
他人も気づくほどの臭いを発する、チチガ。自分自身で臭いがそれほど気にならないのであれば、日常生活の中である程度ケアをすることができます。
デオドラント剤を使用するなど、乳輪まわりを清潔に保つ
乳輪の周辺を清潔に保つことで、臭いの軽減につながります。乳輪周りの汗を小まめにシートで拭き取るなどして、臭いの対策をしましょう。
乳輪回りを清潔に保つ方法の一つに、デオドラントの使用があります。
デオドラントとは、防臭剤・脱臭剤のことで、その種類は主に「汗腺をふさぐタイプ」と「殺菌作用のあるタイプ」の2つがあります。チチガの臭いには皮膚の雑菌が関わっているため、後者の殺菌表記のあるデオドラントがおすすめです。
昔ながらの和食中心の食生活を心がける
肉など動物性タンパク質や脂質の多い食事は、チチガの症状を悪化させることがあります。昔ながらの和食中心の食事を心がけましょう。
チチガの症状が改善しない場合は医療機関へ相談する
チチガのセルフケアは、あくまでも一時的な対策です。根本的な解決をしたければ、医療機関での治療を検討しましょう。なお、チチガの治療は自由診療となるため、全額、自己負担になることに注意してください。
医療機関で行われているチチガの治療法には、次の2つがあります。
・注射による治療
・切らない治療
それぞれの治療法の特徴や費用の目安を確認しましょう。
注射による治療
乳輪周りにボツリヌストキシンという注射(ボツリヌストキシン注射)を打つことにより、発汗を抑える治療法です。乳輪に注射するだけなので身体への負担がほとんどなく、普段通りの生活を送ることができます。チチガの症状が軽く※、夏などの季節限定で治療したい人、気軽に治療を受けたい人に適しているといえるでしょう。
※乳輪部をガーゼでこすり、鼻につけて臭いがわかる程度であれば、軽症です(医療機関で確認してもらいましょう)。
注射による治療効果は半年程度で、定期的な治療が必要になります。費用の目安は4~10万円です。
切らない治療
身体にメスを入れずに、医療機器を用いて、臭いの元である汗腺を破壊する治療法です。1~2回の治療で効果が見られ、受診者の負担も少ないことから、近年、チチガの治療の主流となっています。
しっかりとチチガの治療をしつつ、身体への負担を抑えたいという人には、切らない治療が適しているでしょう。
切らない治療法には、3つの種類があります。
ビューホット
ハンドピースの先端に照射針がついている、0.5mm単位で深度が微調整できる医療機器を使った治療法です。深度によって照射出力を変えながらエクリン汗腺とアポクリン汗腺を狙って高周波を照射することで、アポクリン腺とエクリン腺、両方の汗腺を破壊することができます。
通常、1回の治療で症状の改善を実感する人が多いようです。治療時は麻酔をするため、痛みはほとんどありません。施術後しばらくは赤みが残るものの、治癒とともに自然に消えていきます。
ウルセラドライ
ウルセラドライは超音波を使った治療法です。高密度の超音波を汗腺のある層に集中的に照射して、汗腺を破壊します。
ビューホット同様、麻酔を使うため、痛みはほぼありません。なお、治療後は肌の赤みを抑えるために、クーリングをします。ウルセラドライによるチチガ治療も、ほとんどの方は1回の治療で改善効果を感じていただけます。
ペアドライ
ビューホットとウルセラドライを併用した治療法です。2種類の治療をすることで、打ち漏れを失くす効果があります。1回で確実な治療効果を得たい人におすすめです(局所麻酔をした後、ウルセラドライ~ビューホットの順で行います)。
3つの切らない治療法の詳しい内容については、別記事「切らないワキガ治療とは?切らない治療を選ぶべき理由と治療成功の秘訣」もご覧ください。
適切な治療が実現できるかどうかは、クリニック選びで決まる
チチガの治療にはいくつかの種類がありますが、近年は、治療効果が高く、身体への負担が少ない「切らない治療」が主流となってきています。しかし、チチガの治療に使用される機器を所有している医療機関は限られているので、まずは取り扱っているかどうかを確認するようにしましょう。
治療を決める判断材料として、医師への信頼感や、アフターケアや保証制度なども重視するとよいでしょう。最近は交通費を支給しているクリニックもあるので、地域に希望の医療機関がない場合は参考にしてみてください。
まとめ|一人で悩まず、まずは医療機関に相談を
デリケートな部分に起こるチチガは、人に相談できず一人で悩んでいる人が多い症状です。ストレスは臭いを悪化させることもあるので、チチガが気になる場合は、医療機関で受診してみましょう。また、思い込みでチチガだと勘違いしているケースもあるので、無料カウンセリングを行っているクリニックを選ぶのもおすすめです。