ワキガの手術を考える前に知って欲しい、切らないワキガ治療
この記事でご紹介すること
手術しか選択肢がない……。そう思い込み、ワキガの治療を諦めていませんか?
今までのワキガ治療といえば、「手術」が一般的でした。しかし、根本的な治療で効果が高いと評される一方で、切ることにより傷跡が残ること、また再発のリスクがあることなどから、懸念されることが多かったことも事実です。
そんな中、最近では「切らない」ワキガ治療に注目が集まっています。その背景には、切らないために傷跡がつかない、切らなくても切開と同様の効果を感じられる、目覚ましく医療技術が進歩した……などの事情があります。
実際、中央クリニックでも「ワキガは手術しないと治らない」と思っていた人からのご相談をいただくこともあります。
そこで今回の記事は、切らないワキガ治療のメリットや治療方法をはじめ、切らない治療を選択する場合、自分がどの治療方法を選ぶべきかについて、詳しくご紹介していきます。
ワキガでお悩みの方の一助になれば、幸いです。
ワキガの手術と切らないワキガ治療の違い
この章では、「切る」ワキガ手術と医療技術の発展から最近注目度の高い「切らない」ワキガ治療について、それぞれの特徴とメリット・デメリットについて、解説していきます。
ワキガの手術
ワキガの手術とは、切開して、ワキガの臭いの元である汗腺(汗がでる器官のこと)を取り除く治療法のことです。
臭いの元となる汗腺を切除するため、ワキガ改善の効果が高いことが期待されます。切るワキガ治療を選ぶ最大のメリットといえるでしょう。
しかし、術後、切開による体へのダメージを回復するまで約1週間ほど必要になります(ダウンタイム、といいます)。また、場合によっては、再発の恐れがあることやそもそもワキガが改善されないというリスクもあるため、覚えておきましょう。
切らないワキガ治療
切らないワキガ治療とは、切開をせずに、レーザーなどの医療機器で、汗腺を除去する治療法のことを指します。
ワキガの手術と比べると、持続性はやや劣ると考えられていました。しかし、その差は極めて少ないものです。
実際に、最近人気の切らないワキガ治療、皮膚の内部へ直接高周波を伝える「ビューホット」によって破壊された汗腺は、再生されることがほとんどないとされています(ただし、医師の技術力によって差が生じることも考えられます)。
また、切らないワキガ治療の場合、治療の内容によっては、翌日から日常生活に戻れる場合もあります。そのため、ダウンタイムを長く取れない方にとっては、おすすめの選択といえるでしょう。
このように、効果も高い上に体へのダメージが少なくダウンタイムを含む治療工程も手軽といううれしいメリットの数々が、忙しい現代人から切らないワキガ治療が選ばれる理由なのかもしれません。
切らないワキガ治療3選
この章では、実際に「切らないワキガ治療」にはどのような治療法があるのか、についてご紹介していきます。
中央クリニックでも実際に導入している「切らないワキガ治療」は、以下3つです。
①ビューホット
②ウルセラドライ
③ペアドライ
切らない治療方法を検討されている方は、あくまで一つの目安として、ご参考にしてください。
ビューホット |
ウルセラドライ |
ペアドライ |
|
施術内容 |
高周波(RF)照射で、汗腺を破壊 |
高密度焦点式超音波によって、汗腺を熱損傷 |
高周波(RF)を照射する「ビューホット」と、高密度焦点式超音波を照射する「ウルセラドライ」を融合 |
対象部位 |
ワキの下・VIO※・手のひら・足の裏 など |
ワキの下・乳輪周り・VIO など |
ワキの下・乳輪周り・VIO など |
痛み |
ほとんどなし |
ほとんどなし |
ほとんどなし |
傷跡 |
なし |
なし |
なし |
副作用の可能性 |
・施術箇所の一時的な腫れや内出血 ・かさぶた(針の跡)。針を刺した部分が色素沈着を起こす可能性あり |
・施術箇所の一時的な炎症とむくみ |
・施術箇所の一時的な炎症とむくみ |
ダウンタイム |
日常生活は、翌日からOK。激しい運動など患部に摩擦が加わる激しい運動は、3~5日ほど控える |
日常生活は、当日~翌日からOK。激しい運動など患部に摩擦が加わる激しい運動は、しばらく控える |
かさぶたや皮膚の赤みはあるものの、日常生活に影響するダウンタイムはなし |
施術時間 |
約20分 |
約40分 |
約40分 |
※VIO:デリケートゾーン(Vライン・Iライン・Oライン)
※副作用は、いずれも必ず起こるものではありません。
手術以外の選択肢その① 皮膚に直接伝える熱エネルギーで汗腺を破壊「ビューホット」
ビューホットは、ハンドピースについた36本の極細針を通じて、“ワキガ臭のもと”であるわきの下にある汗腺に向け、高周波(RF)を照射する治療法です。
熱エネルギーが加わった汗腺が機能を失って発汗や臭いがなくなるというメカニズムで、日本人の肌に適したワキガ治療として、注目を浴びています。
また、皮膚に針を刺す治療ではありますが、使用する針は極細なので痛みはほとんどありません。安全性も高く、施術による傷跡が残らない点もうれしい特徴です。
自由診療のため、保険適用外ではありますが、その分高い効果が認められる治療法だといえるでしょう。
ビューホットは、このような方におすすめ
切開を伴うワキガ手術を懸念する方の中には、「痛み」を心配する方も多いのではないでしょうか? ビューホットは、施術に伴う痛みがほとんどないと評価される施術なので、痛みを恐れている人や痛みに弱い人にぜひおすすめしたい治療法です。
さらに、治療マシンには冷却システムが搭載されているため、照射後の炎症を落ち着かせ、痛みを軽減することができます。加えて、局所麻酔を使用しながら施術をするので、施術中に痛みを感じる心配もありません。
ビューホットの基本情報
【対象部位】 ワキの下・VIO・手のひら・足の裏 など |
手術以外の選択肢その②中央クリニック独自ワキガ治療「ウルセラドライ」
ウルセラドライは、高密度焦点式超音波を使い、一点に集中してエネルギーを加える治療法です。これによって、皮膚の深部にある汗腺へ熱損傷を与え、ワキガの臭いを改善することができます。ちなみに、前立腺がんや顔面たるみの治療に用いられることもあります。
ウルセラドライは、ビューホットと同じ自由診療ですが、保険適用のワキガ治療では実現できない効果とダウンタイムのバランスが絶妙です。これが、ウルセラドライの特徴といえるでしょう。
なお、中央クリニック独自の治療法のため、保険適用外の自由診療となります。
ウルセラドライは、このような方におすすめ
ウルセラドライは、乳輪周りの「チチガ」、デリケートゾーンの「すそわきが」など、わき以外の部位の臭い問題にも、高い効果がみられる治療法です。そのため、ワキガはもちろん、その他の部位の体臭にお悩みの方にも、かなりおすすめできる治療です。
ウルセラドライの基本情報 【対象部位】 ワキの下・乳輪周り・VIO など |
手術以外の選択肢その③ビューホットとウルセラドライの優れた点を融合「ペアドライ」
ペアドライは、高周波(RF)を照射する「ビューホット」と、高密度焦点式超音波を照射する「ウルセラドライ」、この2つの治療法の優れた点を合わせた治療法です。
優れた効果を持つビューホットではありますが、皮下3.0〜4.5mmの層にある“ワキガのもと”アポクリン汗腺へアプローチする際、照射エネルギーがやや届きにくく、照射漏れにより効果が引きくなるという課題を抱えています。
一方、ウルセラドライは、皮下3.0〜4.5mmの部分に焦点を当てて照射すると、やけどのリスクが高まってしまうリスクがあります。
こうした双方のリスクを取り除き、メリットのみを融合させた治療法が「ペアドライ」です。このペアドライは、ペアドライ認定専門医のみが行える施術のため、ペアドライのメカニズムを熟知した施術者による安全性の高くい施術が期待できます。
ペアドライは、このような方におすすめ
ビューホットとウルセラドライのリスクを改善したペアドライは、高い効果を求めながらも安全性重視という方におすすめの治療法です。限られたクリニックでのみ受けられる高い技術になりますが、より確実的なワキガ治療を目指してみてはいかがでしょうか?
ペアドライの基本情報 【対象部位】 ワキの下・乳輪周り・VIO など |
まとめ|医師の診断のもと、正しい治療を受けることが大切
切るワキガの手術と切らないワキガ治療のそれぞれの特徴やメリット・デメリット、また、切らないワキガ治療の具体的な施術方法について、ご紹介しました。
今回の記事で重点的にお話をした切らないワキガ治療にはさまざまな種類があり、その特徴も異なります。
どの施術を受けるべきかどうかは、自分自身で判断せず、医師の診断のもと、あなたに合った治療法を見つけるべきです。まずは、一度専門医に相談してみましょう。